「震災後の経済」と「東電の今後」 | Reuters
エディション:
日本

「震災後の経済」と「東電の今後」

  • たしか国土地理院でしたかの発表で浸水した地域には40万世帯程あったとか。各世帯に4千万円渡しても、16兆円。国の計画待つより経済活動ものすごく早い。
  • この6カ月から9カ月の期間中に東電の賠償責任額は増え続けるわけですから、キャッシュフローは枯渇し債務超過になる可能性がありますね。さらに国費の投入が必要になる。
  • 原発への不安が高まる中で、マーケットは東京電力に対して厳しい評価を下しているようです。東京電力の株価は今月5日に1951年12月に付けた上場来安値393円を下回り、6日には一時292円まで下がっています。政府・東電のここまでの対応についての評価はいかがですか。
  • これまでの対応に関しては、特別リポートにも引用させて頂いた専門家の方は、政府も東電も初動の判断ミスがあったのではないかと指摘しています。原子力災害特別措置法は、政府にほぼオールマイティーの力を与えていますが、政府も適切な指示を出したのかどうか疑問が残ると専門家は見ています。
  • 株価の反応については、やはり今後の東電がどうなるのかに注目が集まっているのでしょう。賠償をどのように負担するのか。すでに東電が発表している福島第一原発の廃炉に幾らかからるのか。加えて、今後燃油の購入費用がさらに掛かる見通しですが、トータルして東電の収益がどれだけ圧迫されるのか。賠償負担のスキーム以外にも不透明な要因がたくさん残っています。
  • 田巻さんは、どう分析されますか?
  • 東京電力が結果として原発の制御に失敗し、レベル7の規模の放射能を外界に放出させたことは、大きな失態であり、これから6─9カ月間もさらに放射能が出続ける状態であり続けることは、多方面への巨額賠償という問題を生み、東電のこれからを考える上で最も大きな要素として存在し続けることになると思います。東電の経営形態がどうなるのかは、この賠償問題のほか、同社の発行した約5兆円の社債の償還がどうなるかという点とも大きく関連することになると思います。
  • 東京電力管内の電気料金に反映してする。結果的に関東への一極集中も改善します。
  • 株主負担はありうるのでしょうか?
  • 原発事故発生までは、超優良企業の社債として機関投資家が大量に保有しており、もし、社債が紙くずになるような展開になれば、これまで安泰だった日本の金融システムを動揺させかねない問題を生じさせるからです。一方、今回の原発事故を機に、電力の安定供給責任を持つ9つの地域独占企業である今の電力会社の体制を抜本的に改め、日本の電力供給のシステムを全く新しい内容に作り変えた方がいいという意見もあります。
  • 特に事故の際の補償が巨額になる原発は、民間企業が負える責任を超えているという指摘も一部であり、原発は9電力会社からすべて切り離し、国営として運営し、民間の電力会社はそれ以外の発電方式で対応するべきであるというアイデアもあるようです。また、発電と送電を分離し、発電は自由化して競争させるべきだとのアイデアもあります。
  • 夏の電力不足による経済への影響はあるのでしょうか。
  • 先ほども指摘しましたように、夏場の供給が需要に対し、1000万キロワット足りないなら、大きな影響が出ます。ただ、揚水発電で1000万キロワット増やせるなら、大企業の輪番停電もなしですますことができると思います。東電と政府の情報公開が重要です。
  • ここで東京電力に関する読者の方からのメールをご紹介します。まず、ずばり「東電の国有化あるのか」(Inoueさん)というご質問です。また多くの方から原発問題の処理に公的資金が投入される可能性はあるのかというご質問をいただきました。布施さん、東電の今後について政府はどのように考えているのでしょうか。
  • 国有化については、政府サイドには国有化したくないとの考えが主流を占めています。この場合の国有化とは、東電株を100%減資して、国が増資に応じるということです。政府が出資者になるため、国有化になってしまいます。こうなると、エクイティホルダーだけでなく、社債権者にも影響を与えかねず、市場が大きな打撃をこうむることになります。政府としてはそれを避けたい考えです。通りすがりさんからも、質問を頂きましたが、まだ確定案ではないのですが、今の政府の姿勢は株主負担はない、という線が濃厚だと思います。
  • ただ、東電が資本不足に陥る場合、東電が発行する優先株を政府系機関が買い取る蓋然性は非常に高いといえます。この場合は、事実上の国有化とか、一部国有化と言えると思います。
  • 私は、現在の9電力体制を堅持し、電気事業法も改正せず、現状を固定したままの東電救済案では、国民が納得しないばかりでなく、安定した電力の供給という点からも、問題が多すぎると思います。21日付朝日新聞朝刊などで東電を破綻させずに公的管理下において、補償の財源を確保することを目指した支援のスキーム案が報道されています。この案の長所は、株主や社債保有者の権利保護と電力の安定供給の観点からは優れていますが、この先の電力供給体制を刷新し、より国民の利益に合致したシステムを作り直すという観点に立てば、現状維持の志向が強すぎると思います。この案の期限を設定し、一定期間後は新しい体制に移行するという手法が必要であると私は考えます。
  • 東京電力の分社化や電力の自由化についてはいかがでしょうか。
  • ハンギさんからの質問です。「東電はそもそも独占事業であることも疑問視されていると思います。分社化は検討できないのでしょうか?また電力の自由化が起きた場合のメリット、デメリットを教えてください。」そのほか、事故を起こした東電は「解体させるまで責任」を取らせるべき(ABUDAさん)といったご意見もいただきました。
  • 欧州や米州などでも、発送電の分離、自由化は進んでいます。東電を初めとする電力会社の発電・送電の分社化、つまり、自由化は、2000年前後に自由化路線を進めてきた経済産業省の悲願でした。メリット、デメリットについては、田巻から説明があると思いますが、発送電の分離が進み、代替供給できる発電会社が他にもあれば今回の事故があっても現在のような電力不足は起こらなかったという指摘もあります。
  • 電力会社は、現在の9電力体制は競争制限的で居心地が良いようので、今の体制を何とか維持したいようです。
  • 田巻さんはいかがですか?
  • 電力が自由化された場合の長所、短所について、簡単に申し上げます。
  • 現在は地域独占であるため、コストカットを推し進めるという民間企業の利点が生かされていない面が強いと感じます。自由化によってコスト削減への競争が始まれば、電気料金の引き下げなどを通じ、消費にメリットを還元できると思います。
  • 一方、短所としては、どんなときにも電力を供給するという供給責任が果たされず、停電のリスクが現行システムよりも大きくなる点だと思います。ただ、自由化されている米国での例をみても、自由化に反対する論者が主張するほどに停電が頻発しているわけではないようです。
  • 送電部門、配電部門、発電部門に分ける。発電部門のうち、原子力については国の管理下とする。地域独占企業態をやめる。ぐらいの方向性は見せてほしい。もっと先には、グリッドをもっと小さくし(市町村ぐらい)、そのグリッド内のトラブルは、外のグリッドに影響を与えないようなシステムにできないか。いわゆる、インターネットのようなくもの巣のようなグリッドです。
  • パチオさんのご意見のように、改革していくのは、1つの選択肢だと思います。これを実行するには、強い国民の声が必要だと思います。
  • 被害者をはじめとする国民感情を別にしても、電力債保有者と株主が同順位というのは、これまでの破たん処理の慣例に外れています。
  • おぐりさんのご指摘のような見方は、確かにあります。ただ、現在報道されているスキームはあくまで東電の破たんを回避させるために練り出されたものです。その意味で、政府内には「究極のモラルハザード案だ」との意見も出ています。
  • 事故の賠償を、東電配電管内の受益者もそれなりの負担をすべきでしょうか?
    となると、料金のかなりの引き上げはあるのでしゅか
  • それでなくても主要工業国の中で割高な我が国の電気料金を、漸進的に引き下げる方向での解決先はないのでしょうか。
  • 各企業の節電対策のサマータイム制導入は経済効果がありますか?
  • 少なくとも、東電から電気を買いたくないという気持ちの人は多いと思います。しかし、選択肢がほとんどないのが実態です。とても残念なことです。自由化されれば、少々高くてもクリーン電力を買うという人も居るだろうし、火力の電気でよいという人も居るし、安い(本当か?)から原子力の電力を買う、という人も居ると思う。今は、都市ガスから電気と熱を取り出すシステムを導入するぐらいしか、選択肢は無さそう。
    国民の意見も大事だが、多くのマスコミは電力会社から多額の宣伝費をもらっているので、電力会社の都合の悪いことは余り報道しないと、私は見限っております。
  • 東電の原発リスクを放置してきた管内の消費者が負担するべき。
  • パチヲさん、ありがとうございます。確かに、今の東電管内の電気消費者は、東電以外からは電気を購入できません。しかし、識者の中には、今回の事故により、原発で発電された電気は買いたくないとの消費者が出てくる可能性もあるとし、電力購入の選択肢を増やすべきだとの指摘もあります。経産省の中にも、そういう意味で自由化が必要と考える官僚がいるのも事実です。
  • サマータイム制については、節電の効果に関し、意見が分かれています。しかし、明るい時間帯の有効利用は、経済面でプラスであり、他のG7諸国の多くで採用されており、この機会に日本も採用するべきであると思います。
  • 原理原則は、東電の原発リスクを放置してきた管内の消費者が最終的に電気料金という形で負担すべきだとは思います。ただし、感情的には、とても給料の高い東京電力の社員やそのOB達がきちんと落とし前をつけた後です。10年も働けば、数千万円の貯金はあるようですね。魔女狩りは駄目だというのは、良く理解しているつもりですが、感情としては・・・というところが正直なところです。とにかく、これだけの事故があったのに、関係者が上手く切り抜けて焼け太り・・だけは避けたいものです。
  • ご質問が続いていますが、次に原発政策について触れたいと思います。
  • 私は、自主的サマータイム(朝7時過ぎにオフィスに出社、遅くとも夜8時前には退社)をここ数年続けております。夜、家族とのコミュニケーションを少しでも取るようにしております。節電になっているのかはわかりませんが・・・。
  • 原発政策に関してはロイターサイト上で先月29日よりオンライン調査を実施しています。すでに約18万の投票をいただき、その内70%が政府はエネルギー基本政策を見直し「原発を全廃すべき」との回答を支持しています。
  • この調査はご覧のページの右側でもご覧いただけます。オンラインでの投票なので、通常の世論調査とはやや性格が異なる点がありますが、この問題に関しての社会的関心の高さがうかがえる結果になっています。
  • ここで再び読者からの質問です。「政府は、まだ、原発を推進し続けるつもりか」(ABUDAさん)。これだけの惨事になったわけですから、すべて今までどおり、というのは難しいようにも思えますが、今後原発政策はどうなると想定されているのでしょうか。
  • 菅首相は、今後について白紙と発言しました。経産省にもエネルギー戦略はゼロベースで検討せざるを得ない、との声もあります。また、原子力については「原発なしの電力供給は考えにくい」と言っていますが、原発自体の議論をゼロから始めるきっかけになるとの意見もあります。
  • 原発に頼らずにやっていけないか、といった質問やコメントも寄せられています。
  • 「中長期を見据えた場合、節電対策によるライフスタイルの変化や代替エネルギー研究の高度化など、サステナブルな国を構築するための潮流が大いに生まれる機会があると考える。それを促進するために国としてどのような動きをすべきだろうか?」(腐敗した日本の政治家さん)といったご意見や、天然ガスや石炭をもっと活用すべきではないか、といったご意見をいただいております。
駆動源: ScribbleLive Content Marketing Software Platform
写真

深まる中東混迷

中東に平和と安定をもたらそうというトランプ氏の試みは、裏目に出た。  記事の全文 | 関連記事 

写真

優れた投資家の訳

一般的な思い込みに反し、女性の方が優れた投資家なのはなぜか。   記事の全文 

写真

続投が招く災難

総選挙で惨敗後も続投のメイ首相は、破滅的な結果をもたらしかねない。  記事の全文 | 関連記事 

トップセクション